こんにちは 年間1000人のお客様を担当している現役美容師 あひる(@haircare_blog)です。
普段何気なく行なっているヘアカラー。現在では66%の日本人女性はヘアカラーを行なっていると言われています。
しかしこの66%のうちどのくらいの方がヘアカラーを行うことで発症するジアミンアレルギーについて知っているでしょうか?実はヘアカラーを繰り返すことでアレルギーを発症する可能性があります。
そのジアミンアレルギーを発症すると2度と染めることができないと言われており完治することはありません。このようにお悩みの方に向けて存在するのが今回紹介する『ノンジアミンカラー』です。
多くの美容師や医師はこのノンジアミンカラーに正しい知識を持っていません。そのため染めることができないと言われる方も多くいらっしゃいます。
結論から言えばジアミンアレルギーを発症されている方でもノンジアミンカラーを使用することでヘアカラーを行うことができます。
この記事ではノンジアミンカラーについて正しい知識を年間で500人以上のジアミンアレルギーの方を染めている現役美容師がお伝えしていきます。どこよりも詳しく専門的な知識の元ノンジアミンカラーの全てをまとめました。
ジアミンアレルギーの方でも使用することができる2種類のノンジアミンカラーを取り扱っております。
\\自宅で安全に染められる//
目次
ジアミンアレルギーの症状が出たらノンジアミンカラーに切り替えて
ヘアカラーを行なった後に次のような症状が現れた方はジアミンアレルギーの疑いがあります。
- 痒みやかぶれ、痛みを激しく感じる
- 顔や首、まぶたなどが腫れる
- 染めた直後は問題なかったが帰宅後〜翌日など時間差でこれらの症状が現れた
ジアミンアレルギー発症の有無に関しては『美容院・皮膚科・アレルギー科のいずれかでパッチテスト』を行うことで確認することができます。
https://ahiru-haircare.com/diamine-allergy-test/
ここで覚えておいて欲しいことはジアミンアレルギーを発症していた場合はジアミンを含むヘアカラー剤では2度と染めることができません。ただしジアミンを含まないヘアカラー剤であれば染めることは可能です。
ここはしっかりと分けて考えなければいけません。
ジアミンを含まないヘアカラー剤が『ノンジアミンカラー』です。まだまだ認知度が低く医師や美容師であってもその存在は知られておらず染める手法はないと理解されています。
ノンジアミンカラーとはどんなもの?ジアミンカラーとの違い
ノンジアミンカラーとはその名の通りジアミンを含まないヘアカラー剤のことを指します。
ジアミンとは色の成分のこと名称です。ジアミンがないと無色のカラー剤?と思いがちですがジアミンではない成分の染料(色)を使用しているものが一般的です。
またノンジアミンカラーはカラーのカテゴリーの名称です。ノンジアミンカラーと言うカラー剤があるのではなくジアミンを含まないヘアカラー剤をひとくくりにまとめてノンジアミンカラーと言います。
つまりノンジアミンカラーには様々な種類が存在し、それぞれによって使用用途や役割が異なります。
ノンジアミンカラーにはどんな種類がある?
ノンジアミンカラーの種類は大きく分類すると次の5つの種類に分けることができます。
- 酸化染料(明るくする+染める)
- ライトナー(明るくする)
- 塩基性染料(染める)
- ヘアマニキュア(染める)
- ヘナ(染める)
これらには全てジアミンの成分は使用されていません。1つずつ詳しく解説をしていきます。
酸化染料
酸化染料はノンジアミンカラーの中で唯一『明るくしながら色を染める』ことができます。わかりやすく言うと今まで使用していたヘアカラー剤と同じ染まり方をするノンジアミンカラーと言えます。
クオリティーを重視して染めたい方の場合はこちらがおすすめです。
ただしジアミンアレルギーにとても敏感な方の場合はノンジアミンタイプの酸化染料であっても症状を引き起こす恐れがあります。それは染めるメカニズムがジアミンカラーに類似していることが原因です。
また髪を明るくする成分に敏感な方の場合はアレルギー症状こそ起こさないものの刺激を感じる危険性もあります。酸化染料は市販品ではなく美容院で染めることを強くお勧めします。
ライトナー
ライトナーとは通常のヘアカラー剤からジアミンの成分のみを取り除いた無色のノンジアミンカラーです。ブリーチ剤なども同じ分類のカラー剤です。
刺激性が強いことから取り扱いには注意が必要なものの髪を明るくする際には効果的なので様々な用途で活用することができます。ただし単品で使用した場合は無色なので他のノンジアミンカラーと組み合わせて色を補った状態での使用は必須となります。
こちらも自宅での使用はお勧めできません。
塩基性染料
トリートメントカラーやカラーシャンプーなどにも使用されている染料です。刺激性が少なく皮膚への沈着が少ないことが特徴です。
自宅でも手軽に行うことができることからジアミンアレルギーの方でも取り入れている方が多いノンジアミンカラーです。
ただし1回での染める力はそこまで強くありません。定期的に繰り返すことで徐々に染めることができるので継続しての利用が必須となります。
ヘアマニキュア
刺激性が少なくビビッとな色から濃い染まりまで実現ができます。その反面で頭皮や顔まわりといった皮膚には激しく色素沈着(肌が染まる)を起こします。
操作が難しいことから自宅での使用はあまりお勧めできません。使用の際は専用のクシを使って塗布し、お風呂場や洗面場につかにように(ついたらすぐに流す)気をつけましょう。
ヘナ
植物性のヘアカラー剤として昔から存在するのがヘナです。科学的なものを使用していないので安全に染めることができます。
オレンジにしか染まらないと勘違いをされがちですが、青の色素を持つインディゴを組み合わせることでライトブラウン〜ダークブラウンまで調節することができます。
ただしおしゃれ染めには向かないので白髪染めをされる方限定となります。また染めることに時間がかかることが難点です。
自宅で使用することができるヘナを取り扱っております。
ノンジアミンカラーで白髪を染めることはできる?
ジアミンを使用していないノンジアミンカラーであっても白髪を染めることは可能です。ご自身の症状に合わせて染め方を調節しましょう。
低いリスクで染める場合
リスクなく染めるにはヘナ・塩基性染料・ヘアマニキュアの使用をお勧めします。どれも脱色作用(明るくすること)がないものなので刺激を感じやすい方にもお勧めです。
ジアミンアレルギーのある方でも安心して使用することができます。また自宅で使用することにも適していると言えます。
クオリティーを重視する場合
しっかりと白髪を染める、もしくは黒髪は明るくしつつ白髪を染めるなど仕上がりにこだわりを持たれる方の場合は酸化染料で染めることをお勧めします。他のノンジアミンカラーと比較しても色の定着がよく長く保つこともできます。
ただし使用が難しいことや刺激性があることから自宅での使用は難しく美容院でしか染めることはできません。手軽さや安全性は劣りますが今までの染まりと近い仕上がりを得られるというメリットがあります。
ノンジアミンカラーで明るくおしゃれ染めをすることはできる?
ノンジアミンカラーで明るくおしゃれ染めを行うことは可能です。
おしゃれ染めということは白髪がなく黒髪である事が基本だと思うので脱色作用は必須になります。その点に関して言えば注意が必要です。
髪を明るくするということ
髪を明るくするということは酸化染料やライトナーなどの脱色作用を持ったノンジアミンカラーの使用が必須になります。どちらもアレルギー症状とは異なった刺激性があるということを理解しておきましょう。
刺激とは塗った瞬間に感じ痒みのことです。この段階で起こる痒みは明るくする成分によるものです。
染める前に頭皮への直接的な保護や頭皮にべったりとつけないように塗ることで刺激が緩和されます。ノンジアミンカラーであっても刺激を感じる可能性はあるので注意しましょう。
基本的には自宅でのカラーは推奨できない
おしゃれ染めの場合は上記のように明るくすることが前提に考えられます。
明るくすることができるノンジアミンカラーを自分で使用すると次のようなデメリットが考えられます。
- 刺激が起こる
- 色のムラになる
- ダメージ
特に色ムラをノンジアミンカラーだけで修復することは難易度が高く時間もかかります。
これらのことからノンジアミンカラーのおしゃれ染めの場合は美容院にて任せることがベストな選択だと考えています。
ノンジアミンカラーの色持ちをサポートしてくれるアイテムは使用必須?
ノンジアミンカラーの弱点の1つに色持ちの悪さというものがあります。そのため自宅でのケアは必須となります。
ジアミンカラーの場合はできるだけ色を落とさないケアで対策していたと思います。ノンジアミンカラーの場合は色を落とさないケアにプラスして色を補うケアが必要になります。
抜けた分の色を日々少しずつ補っていくイメージです。具体的にはカラートリートメントやカラーシャンプーなどが該当します。
カラーシャンプーで日々の色のケアを
カラーシャンプーも同様に洗いながらに色を少しずつ補ってくれる効果があります。日々のシャンプーを切り替えるだけなので手間なくライフスタイルに組み込むことができます。
カラーシャンプーのデメリットは洗浄力が弱い点です。人によっては痒みを感じるかもしれません。毎日使うことも問題はありませんが数日に1回のペースで通常のシャンプーと併用することで改善することができます。
現在の髪色に合わせて相性の良いカラーシャンプーは異なるので自分にあった色を探してみてください。
すぐに黄色っぽく抜けてしまう髪質の方には紫シャンプーがおすすめ。白髪染め世代の方もご利用いただけます。
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赤味を抑えてアッシュ系の色を保ちたい方にはアッシュシャンプーがおすすめです。業界最濃の青い色素でマット系〜グレイ系の色の方にもご利用いただけます。
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ピンクやシルバーなど幅広い色味から選びたい方はN.がおすすめです。色のバリエーションが多く取り揃えられています。
美容院で行うノンジアミンカラーと市販のノンジアミンカラーに違いと注意点
市販のものを使用して自宅で染めることができれば大きなメリットとなります。しかし使用方法を間違えたりカラー剤によっては使用することでリスクを背負うものもあります。
そのため自宅で行う方向で考えている方でも初めは美容院で方向性を相談することを推奨しています。現在の状態やジアミンアレルギーの症状などを把握しどのように染めていくことがベストなのかを美容師さんと相談してみてください。
ノンジアミンカラーを取り扱う美容院はこちらをご確認ください。
美容院と自宅でのヘアカラーを併用する選択
髪を明るくされる方の場合は自宅だけで行うことには限界があります。無理に自宅で行なって悪化させたり修正ができないような色ムラを発生させるくらいなら美容院でのヘアカラーとの併用を考えてみましょう。
例えば美容院で酸化染料を使用したノンジアミンカラーで染めて自宅では塩基性カラーなどで色を補うなどの工程を交互に繰り返していくことも可能です。そうすることでリスクを最小限に綺麗なヘアカラーを楽しめます。
自宅でできることと美容院でしかできないことの線引きをしてうまく利用してみましょう。
美容院で得られるメリット
美容院で得られるメリットは髪を明るくすること以外にもデザイン性の高さがあります。ジアミンアレルギーの方の場合は色に様々な制約があるように感じますがそうではありません。
ハイライトやブリーチなどの施術を組み合わせることでより多くのデザインを楽しむこともできます。(ブリーチ後は暗く戻すことはできないので注意が必要です。)
通常のカラーと同じような色やビビットな色味まで作り込むことができのは美容院ならではのメリットです。
ノンジアミンカラーの安全性を理解しよう
ノンジアミンカラー=安全なヘアカラーではありません。ノンジアミンカラーであっても明るくすることによる刺激は起こります。
また塩基性カラーやヘアマニキュア、ヘナなどでもアレルギーを引き起こす可能性は0ではありません。安全と言われる食べ物でもアレルギーが起こることと同じようにノンジアミンカラーでもアレルギーが起こることもあり得ます。
使用する前には必ず安全性を判断するパッチテストを実施しましょう。
また万が一に特定のノンジアミンカラーに対して反応が出た場合でも反応が出ていないノンジアミンカラーであれば使用することはできます。悲観せずに体にあったヘアカラー剤を使用することで染めることはできます。
無理をするのではなく自分にあったノンジアミンカラーを選択することが重要です。
ノンジアミンカラーとうまく付き合っていこう
この記事で伝えたいことはジアミンアレルギーを発症している方でも染めることを諦める必要はないということ。またノンジアミンカラーで異常が出る方でも別の選択があるということです。
ノンジアミンカラーには5つの種類があります。これらを単体もしくは組み合わせて使用をすることで通常のカラーに負けない仕上がりを作ることもできます。
それぞれのメリットやデメリットをしっかりと理解して付き合っていくことでどんな状況の方でも染めていくことはできます。この記事を通して諦めずに自分にあった染める方法を見つけられるように願って記事を書きました。
あなたにあったノンジアミンカラーが見つかりますように。
ジアミンアレルギーの方でも使用することができる2種類のノンジアミンカラーを取り扱っております。