こんにちは 年間1000人のお客様を担当している現役美容師 あひる(@haircare_blog)です。
全国理美容製造者協会による調査によると日本人のヘアカラーをしている女性は64.8%という結果が出ています。今や2人に1人以上の割合の方が髪を染める時代です。
おしゃれを楽しむ目的や白髪を染める目的など人それぞれにライフスタイルに合わせて取り入れています。しかしここ数年でヘアカラーによるアレルギーの悩む方の声もよく聞くようになりました
ヘアカラーを行う方が増えるのと比例してアレルギーを発症する人も増えていると言われています。少し前には元SMAPの中居正広氏が自身の番組でジアミンアレルギーの発症を告白したことでも話題になりましたね。
https://ahiru-haircare.com/masahiro-nakai-diamine-allergy/
ジアミンアレルギーは1度発症すると2度と染めることができないと言われています。では発症してしまった後では治す方法はないのか?
今回はそんな疑問を解説していきます。
目次
ジアミンアレルギーが治ることはある?
結論から言うとジアミンアレルギーは1度発症をすると治すことはできません。
体質の改善や一定期間ジアミンに触れないようにすることで改善することができると言う噂も聞きますがそのようなことはありません。それどころか繰り返すごとに悪化し治りが悪くなる一方です。
ジアミンアレルギーが治らないと考えられている根拠
MSD製薬会社ではアレルギー接触性皮膚炎について次のように解説しています。
(ジアミンアレルギーはアレルギー接触性皮膚炎の一種です。)
皮膚に触れた物質に対して免疫系が反応を起こすことで発生します。皮膚が問題の物質に最初に触れると、皮膚がその物質に対して敏感になり、これを感作(かんさ)といいます。物質に一度触れただけで感作が生じることもあれば、何度も触れなければ生じないこともあります。感作が生じた後、次にその物質に触れると4~24時間以内に強いかゆみと皮膚炎が生じますが、人によっては、特に高齢者では、反応が生じるまで3~4日かかることもあります。
一度ある物質に対する反応が生じると、通常はその後の生涯を通じて反応が生じます。
−MSD製薬HPより引用
ジアミンアレルギーに例えて考えてみましょう。
人生でヘアカラーを初めて行います。(初めの接触)
↓
ヘアカラーの成分であるジアミンに敏感(感作)になる
(ここでジアミンアレルギーを発症する可能性もある)
↓
ヘアカラーを繰り返す
(徐々にジアミンに対して敏感になっていく)
↓
ジアミンアレルギーを発症し、以後はジアミンに触れるたびに反応が起こる
このようにジアミンに触れた時、もしくは長期間ジアミンに触れることでジアミンアレルギーを発症していきます。またMDS製薬会社の見解にもあるように1度ジアミンアレルギーに対しての反応が起これば生涯を通じて反応は繰り返されると考えられます。
また反応を繰り返すごとに症状は強くなっていくことも確認されています。発症を確認したらジアミンには触れないことが大切です。
ジアミンアレルギーは治らない!間違った考えに騙されないで
ジアミンアレルギーの認知度はまだ十分なものではありません。それはヘアカラーを行うユーザーはもちろん美容師や医師の中でも正しい判断ができる方は少なくはありません。
以下は全てジアミンアレルギーの方が実施してもアレルギー反応は起こります。これらをお勧めされた場合は知識がないと判断して施術は避けましょう。
- 頭皮につけなければOK
- 毛先のみ染めることはできる
- ヘアカラーを辞めてから数年が経過していればジアミンアレルギーはリセットされる
- オーガニックカラーなら負担が少ない
これらは全て嘘です。
お客様と話している中で誤った情報を信じて事故を起こしてしまうケースが数多くあるので何だ正しいのかをしっかりと把握しておきましょう。自分の体を守ることができるのは自分の身です。
頭皮につけない
ジアミンアレルギーを発症していても頭皮につけなければ問題はない。そう信じたいところですがジアミンが近くにあるだけで反応は十分に起こります。
たとえ頭皮から1センチ開けて塗ってもジアミンアレルギー対策にはなりません。
毛先にのみ塗ればOK
ロングヘアの方など毛先にのみヘアカラーを塗ることもできません。
ジアミンアレルギーの方にとってジアミンの成分が1であっても100であっても反応の出方に変わりはありません。ごく少量のジアミンが付着してもアレルギー反応は起こります。
ヘアカラーをした日にシャワーを浴びたら全身にジアミンアレルギー反応が出たと言う事例もあります。
https://ahiru-haircare.com/diamine-allergy-whole-body/
過去に出た反応はなくなる
繰り返しになりますが、MSD製薬もアレルギー性接触皮膚炎の場合は次のように述べています。
『一度ある物質に対する反応が生じると、通常はその後の生涯を通じて反応が生じます。』
1度ジアミンアレルギーを発症している方はどんなに長く期間をあけたからといって完治することはありません。
オーガニック・無添加・ボタニカルは全て信じない
ジアミンアレルギーの方にとってオーガニック・無添加・ボタニカルは全て関係がありません。
重要なことは『ジアミンが配合されているか配合されていないか』です。自然なものを使用していてもジアミンが含まれていれば使用できません。
優しいヘアカラーを使っているのかどうかよりもジアミンが配合されているのかを確認しましょう。
ジアミンアレルギーが治らずとも使えるヘアカラー剤
ジアミンアレルギーの発症後はジアミンを未配合のヘアカラー剤であれば使用することができます。気になる方は担当の美容師さんに取り扱いの有無を確認してみましょう。
自宅で行う場合はカラートリートメントの使用やヘナ、ヘアマニキュアなどは取り入れやすいと思います。
使用前には必ずパッチテストを行うこととジアミンが配合されていないことを確認してください。間違いを起こさないためにも自分での確認が重要です。
ジアミンアレルギーが治ることはないので発症しない工夫を
繰り返しにはなりますがジアミンアレルギーは発症すると完治しません。発症後に焦るよりも発症していないうちにできるだけ負担をかけずに染めていくことが重要ですね。
ジアミンアレルギーの効果的な予防方法が知りたい方は『ジアミンアレルギーを予防する方法は3つのポイントに気をつけるだけ』をご参照ください。
最後にこの記事の内容をおさらいしておきましょう。
- ジアミンアレルギーは治ることはない
- 誤った知識でヘアカラーと関わることは危険
- ジアミンを含まないヘアカラー剤は使用ができる
悩まれている方はぜひご参考にしてみてください。
ジアミンアレルギーの方でも使用することができる2種類のノンジアミンカラーを取り扱っております。