ヘアケア

白髪染めとヘアカラーの違いって?【現役美容師が解説します】

最近白髪が目立ってきたけれど、そろそろおしゃれ染めから白髪染めに変えた方がいいのかな・・・
そもそも白髪染めと普通のヘアカラーって、何か違いがあるの?

 

白髪が目立ってきたから染めたいけど、真っ黒になるのは嫌!という方、多いのではないでしょうか?

ヘアカラーでいいのか、いっそ白髪染めした方がいいのか…悩みますよね。

この記事では、現役美容師が白髪染めと普通のヘアカラーの違いについてご説明します。

黒髪と白髪のちがい

そもそも、黒髪と白髪では何か違うのか?

ザックリいうと、髪の毛に含まれるメラニン色素の量です。

メラニンが多いほど髪の毛は黒く見え、メラニンがほとんどない白髪は白く見えます。

じゃあ色以外に違いはないの?って言われると、実はそうじゃないんです。

メラニン色素の量の違いは、見た目の色以外にも影響しています。

それは染まりやすさ

実は毛髪のメラニンには金属が多く含まれています。

この金属には、ヘアカラーを染まりやすくする作用があるのです。

つまり、メラニン色素が少ない白髪はヘアカラーで染まりにくいということです。

白髪と黒髪では染まりやすさが違うので、それぞれに合った薬剤で染めることが大事です!

白髪染めとヘアカラーの違い

では、白髪染めとヘアカラーは具体的に何が違うのでしょうか?

その前に、まずヘアカラーで髪の毛が染まる仕組みについて簡単に解説します。

ヘアカラーで髪が染まるしくみ

簡単に言うと、アルカリ剤でキューティクルを開き、髪を脱色してから染色するというメカニズムです。

ヘアカラーは、1剤2剤を直前に混ぜて使うものが一般的です。

1剤:酸化染料(ジアミン)+アルカリ剤(アンモニア)
2剤:酸化剤(過酸化水素)

まず、1剤に含まれるアルカリ剤によって髪の表面にあるキューティクルが一時的に開き、色素が髪の内部へ染み込みます。

次に2剤に含まれる過酸化水素が分解されると酸素が発生し、酸素によってメラニン色素を分解して脱色させます。

さらに、酸素によって酸化染料の分子がくっついて大きくなり、髪の内部に色が定着します。

白髪染めとヘアカラーの違い

それでは、普通のヘアカラーと白髪染めは何が違うのでしょうか?

基本的なメカニズムは同じですが、大きく違うのはブリーチ力染毛力のバランスです。

そもそも黒髪用の通常のヘアカラーは、メラニン色素のある髪を明るい色に染めることを目的に作られています。

このため、メラニン色素を抜くブリーチ力が高く、その一方で色を着ける染毛力が低いのが特徴です。

染毛力が低いので、メラニン色素のない白髪を染めることは苦手です。

一方、白髪染めは、黒髪用のヘアカラーに比べて染料の含有量が多く、染毛力が高いのが特徴です。

ブリーチ力は、仕上がりを明るくしたいか暗くしたいかによって異なります。

白髪染めとヘアカラーをどう使い分ける?

白髪染めを使うか、ヘアカラーを使うかの判断のポイントとなるのは、以下の3点です。

  1. 白髪の量
  2. 白髪の生えている場所
  3. 仕上がりの色・明るさ

例えば、白髪の量がある程度あっても、明るい仕上がりにしたい場合には、白髪染めではなくおしゃれ染めのヘアカラーを使用することがあります。

逆に白髪が少量でも、しっかり隠したいという場合には、確実に染まる白髪染め用の薬剤が適しています。

さらに、必要に応じて白髪染めとおしゃれ染めを組み合わせたり、塗る工程を変えたり、ハイライトやローライトを活用したりすることもあります。

白髪染めとヘアカラーは必要に応じて使い分けよう

昔の白髪染めはザ・黒!なものが多かったのですが、最近ではバリエーションが豊富になり、白髪染めとヘアカラーの境目が曖昧になってきています。

一番大切なのは、薬剤の種類ではなく「どんな仕上がりにしたいか」ということです。

まずは、仕上がりのイメージを美容師へ相談してくださいね!

仕上がりに合わせて、一人一人に合った薬剤の提案をさせていただきます。

白髪染めとヘアカラー、うまく使い分けておしゃれなヘアスタイルを楽しみましょう♪